子どもの指導法

中学受験の算数でよくあるケアレスミス9選!直らない子にも効く対策をプロが解説

中学受験の算数でよくあるケアレスミス!直らない子にも効く対策をプロが解説

「中学受験の算数、どんなに言ってもケアレスミスが直らない」
「どうしてこんなにミスをするの?」
「ミスを対策する方法はあるのかな?」

中学受験において、算数のケアレスミスは合否を分ける大きな要因です。たった1問のミスが合格ラインを左右することも珍しくありません。

ゆうた

実は、ケアレスミスは「注意力が足りない」だけではなく、正しい計算の書き方を知らないことが原因であることがほとんどです。

そこで本記事では、以下の内容について解説しています。

  • 中学受験の算数でケアレスミスをなくすことの重要性
  • 算数でよくあるケアレスミス(四則計算・単位換算)
  • ケアレスミスをなくす対策

お子さんの算数のケアレスミスを減らし、確実に点数を取らせたいと考えている親御さんは、ぜひ最後までお読みください。

執筆者情報

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中学受験の算数でケアレスミスをなくす重要性

中学受験の算数でケアレスミスをなくす重要性

中学受験において、ケアレスミスは合否を左右する致命傷となり得ますたった、1問のミスが合格ラインを分けてしまうためです。

ゆうた

合格ラインの前後10名程度が2~3点差に集中することもあり、たった1問のケアレスミスが合否を分けます。

そのため、応用問題がせっかく解けていたとしても、基礎問題を落としてしまえば、志望校合格への切符をつかめない可能性があるのです。

受験当日までに多くの問題を解いて学力を身に着けることも大切ではありますが「こんなミスをしてもったいない」というミスをなくすほうが、もっと重要です。

悔しい思いをしないためにも、ケアレスミスの癖は早期に直しておくことが必要です。

中学受験の算数でよくあるケアレスミス5選【四則計算編】

ここからは、中学受験の算数でよくある「四則計算」でのミスにに絞って解説します。

  1. 左から順番に解けていない
  2. 分数の途中式を書いていない
  3. 分数の割り算をひっくり返していない
  4. 少数の分数化を正しくできていない
  5. 計算式を丁寧に書けていない

お子さんが該当するミスがないかを確認してみてください。

関連動画「【ケアレスミスが0に】中学受験算数の計算完全攻略【問題集1400問無料配布】」では、動画でわかりやすく解説しています。お子さんと一緒に学ぶ際は、ぜひ活用してください。

1.左から順番に解けていない

足し算・引き算、掛け算・割り算が混在する問題で、左から順番に解けていないミスが頻発しています。

四則計算では、カッコや掛け算・割り算を優先して計算することが必要です。

ゆうた

特に足し算と引き算が混在している場合で、右側から先に解いてしまうミスが非常に多いです。

たとえば「120 – 37 + 13 = 96」という問いが出題された場合、間違える子は以下のように計算しています。

先に足し算をしてキリのよい数値に整え、120 – 50 = 70と計算

左から順に、120 – 37 = 83を導き出してから、83 + 13 = 96と計算

なお、途中で算出できた結果は頭の中で覚えておこうとするのはNGです。途中結果は必ずメモを書き残すことで、ケアレスミス防止につながります。

2.分数の途中式を書いていない

分数の計算で途中式を書いていないと、ミスを起こしやすくなります。

たとえば、5/6+3/4=19/12という問題の場合、以下のような計算ミスをしがちです。

「6と4の最小公倍数は12だから…」と暗算で進めて、計算ミスをする

  1. 分母である6と4の最小公倍数12を算出する
  2. 分子に適切な数字を掛け合わせてメモを残す
  3. 正しい計算式で計算し答えを導き出す
  4. 約分チェックをする

このように、ミスをしない子はいくつかのステップに分けて答えにたどり着いています。

なお、分数の計算では、必ず式を書いて通分し、答えが出たら約分チェックも徹底しましょう。

ゆうた

面倒と思っている人が多いからこそ、書くだけで周りと差をつけられます!

3.分数の割り算をひっくり返していない

分数の割り算で「割り算をひっくり返す」ことができていないミスです。

逆数にした後、分子と分母を先に約分することで計算が楽になり、時間短縮にもつながります。

たとえば、4/5÷2/3=6/5という問題の場合、以下のように計算するのがおすすめです。

  1. ÷の記号の後の2/3をひっくり返して3/2にする
  2. 新たな計算式「4/5×3/2」とする
  3. 分母と分子で約分ができないかを確認する
  4. 最終的には「2/5×3/1」で計算し、答え6/5を算出する
ゆうた

途中式は頭の中ではなくメモ書きをし、分母と分子を連続で約分することを忘れないようにしましょう。

4.少数の分数化を正しくできていない

小数を分数に変換する際に、計算ミスをしてしまうケースは多いです。

1.25や0.75といった小数は、×4または×8をして分数化すると計算が格段に楽になります。しかし、この変換方法を知らないお子さんが多いでしょう。

たとえば「1.25-3/8」という問題の場合、以下のように計算するのがおすすめです。

  1. 1.25を分数にする(1.25×4=5⇨5/4)
  2. 計算式「5/4-3/8」で計算する
  3. 約分をして「10/8-3/8」に変換して、答え7/8を算出する
ゆうた

小数はそのまま扱わず、×4または×8して分数化することで、計算ミスは大幅に減らせます。

5.計算式を丁寧に書けていない

計算するときの式を丁寧に書けていないと、見間違いや計算ミスが起こります。

時短のために暗算で済ませようとすると、計算の順番を間違えたり、数字を見間違えたりするミスが頻発するためです。

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「暗算でできる」と思って式を書かないことが、ミスの最大の原因です!

とくに、以下のような結果は省略せずに必ず書きましょう。

  • カッコの中を計算した結果
  • 通分・約分後の数
  • 左から順番に計算した結果

途中式は必ず書き、暗算せずに丁寧に式を書くことでケアレスミスを減らせます。合格ラインの分け目にひやひやしたくない方は、これらのミスだけでも対策してみてくださいね。

ここまで、四則計算でよくあるケアレスミスとその対策を解説してきましたが「実際に問題を解いて練習させたい」と思った親御さんもいるのではないでしょうか。

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中学受験の算数でよくあるケアレスミス4選【単位換算編】

中学受験の算数でよくあるケアレスミス【単位換算編】

中学受験の算数でよくある単位換算のケアレスミスをなくすためには、同じ単位にそろえて計算するという基本ルールを徹底することが重要です。

ここでは、以下のよくあるケアレスミスパターンについて解説します。

  1. 時間の単位換算ができない
  2. 長さ・重さの単位換算ができない
  3. 面積の単位換算ができない
  4. 体積の単位換算ができない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.時間の単位換算ができない

ゆうた

時間の単位換算では「1.5時間を1時間50分と間違える」というミスが非常に多く発生しています。

時間の単位換算を正しく行うには、同じ単位にそろえて計算することがポイントです。

時間の単位換算の基本・換算方法
  • 1日=24時間
  • 1時間=60分
  • 1分=60秒
  • 時間の単位換算は、必ず「×60」「÷60」で計算する
    (例:分→秒に換算する場合には×60、秒→分に換算する場合には÷60)
  • 小数で表された時間は、一度「分」に直してから考える
  • 簡単な数字で実験する(例:1時間=60分、2時間=120分)

このことから、1.5時間を具体的に単位換算するには、以下のように計算することが必要です。

  1. 1時間=60分なので、1.5時間×60分で90分を算出する
  2. 90分=60分(1時間)+30分の1時間30分であることがわかる

時間の単位換算は、同じ単位にそろえて計算することで、ミスを防げます。

2.長さ・重さの単位換算ができない

長さや重さの単位換算では「0の数を間違える」「小数点の位置がずれる」というミスが頻発しています。

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mm、cm、m、kmや、mg、g、kg、tといった単位は、それぞれ10倍、100倍、1000倍と変化していくため、0の数や小数点の位置を間違えやすいのです。

単位換算のミスをなくすには、単位表を整理することと、式の中に必ず単位を書くことがポイントです。

長さの単位換算
  • mm → cm → m → km
      ×10 ×100 ×1000
  • 1m=100cm
  • 1m=1000mm
  • 1km=1000m
重さの単位換算
  • mg → g → kg → t
     ×1000 ×1000 ×1000
  • 1kg=1000g
  • 1t=1000kg
  • 1g=1000mg

たとえば「500gは何tですか?」という問いがあった場合には、以下のようにして答えを導き出します。

  • 1t=1000kgを算出し、グラム換算をして1,000,000gを計算する
  • 計算式「500g÷1,000,000」となり、答え0.0005tにたどり着く

なお、ミスをなくすには以下のような対策を取るのが有効です。

ミスをなくすための対策
  • 単位表を必ず書いて、何倍・何分の1かを確認する
  • 式を書くときに、必ず単位も一緒に書く(例:500g、0.0005t
  • 身近な例でイメージする(例:赤ちゃんは約3kg=3000g)

ケアレスミスを減らすためにも、身近な例でイメージを膨らませておくことをおすすめします。

3.面積の単位換算ができない

面積の単位換算では「平方cmと平方mは何倍か」「a(アール)やha(ヘクタール)の関係」がわからなくなるミスが多発しています。

長さの単位(cm、m)は100倍の関係ですが、面積の単位(平方cm、平方m)は10,000倍(=100×100)の関係です。

1mは100cmですが、面積は縦×横なので1m×1m=100cm×100cm=10,000平方cmです。

ゆうた

この「2乗する」という概念が抜けている子が多いです!

面積の単位換算
  • 平方cm → 平方m → a → ha → 平方km
       ×10,000 ×100 ×100 ×100
  • 1平方m=10,000平方cm
  • 1a=100平方m
  • 1ha=100a=10,000平方m
  • 1平方km=1,000,000平方m

面積の単位換算のミスをなくすには、1辺ずつ考えることと、図を書いて縦×横で確認するのがポイントです。

また、a、haは「×100ずつ」と覚えるようにしましょう。

4.体積の単位換算ができない

体積の単位換算では「dL(デシリットル)」の扱いでミスをするケースが多く見られます。

mL、dL、L、kLという単位の中で、dLだけが「10倍」の関係になっており、他の単位(1000倍)と異なるため混乱しやすいのです。

ゆうた

「デシ」というのはラテン語で「1/10」という意味なので「10倍」すると覚えましょう!

体積の単位換算
  • mL → dL → L → kL
     ×10 ×100 ×1000
  • 1L=10dL
  • 1L=1000mL
  • 1kL=1000L

体積の単位換算のミスをなくすには、牛乳やペットボトルで覚えることがポイントです。

  • 牛乳パック:1L=1000mL
  • ペットボトル:2L=2000mL

体積の単位換算は、dLが「10倍」の関係であることを理解し、身近な例でイメージすることでミスを防げます。

中学受験の算数のケアレスミスをなくす5つの対策

中学受験の算数のケアレスミスをなくす対策

ケアレスミスをなくすには、以下の5つの対策を実践することが重要です。

  1. なぜ間違えたのか理由を書く
  2. ケアレスミス集を作って解く
  3. よくするミスを3つ書き出す
  4. 見直しの時間を必ず作る
  5. 問題文に印をつける

「注意しなさい」と言うだけでは、ケアレスミスはなくなりません。具体的な対策を習慣化し、ミスを少しずつ減らしましょう。

1.なぜ間違えたのか理由を書く

なぜ間違えたのか理由を書く
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間違えた問題には、必ず「なぜ間違えたのか」を書きましょう。

ケアレスミスをなくすには、同じミスを繰り返さないことが重要です。のためには、なぜ間違えたのかを言語化し、記録しておく必要があります。

たとえば以下のように書き出しておくと、自分がどのようなミスをしやすいかがわかります。

  • 計算の順番を間違えた
  • 分数の通分を暗算でやってミスした
  • 単位をcmからmに直し忘れた

同じミスに気づくことができれば、その事実を意識できるようになります。

2.ケアレスミス集を作って解く

ケアレスミス集を作って解く

間違えた問題を集めた「ケアレスミス集」を作りましょう。

ケアレスミスは、同じパターンで繰り返すことが多いです。そのため、間違えた問題を集めて復習することで、ミスを減らせます。

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ノートやファイルに、間違えた問題をコピーして貼り付け、定期的に解き直しましょう。

ただし、お子さんによっては、間違えばかりを集められるとモチベーション低下の原因にもなり得ます。心配な親御さんは「よく解けたノート」も制作しておくと安心です。

3.よくするミスを3つ書き出す

よくするミスを3つ書き出す

自分がよくするミスを3つ書き出しておくことで、効率的にケアレスミスをなくせます。

お子さんがミスする問題のパターンは、実はほぼ決まっていますが、多くのお子さんは「どこでミスをしやすいか」を自覚していません。

たとえば、以下のようにミスを3つに絞って書き出します。

ミスの絞り込み例
  • 左から順番に計算する
  • 約分を忘れない
  • 時間換算は「÷60」か「×60」

このように書き出してみると、子どもの意識が向くようになるのでミスを防ぐことが可能です。

ゆうた

「自分のミスパターン」を知っている子は、圧倒的に成績が伸びやすいです!

4.見直しの時間を必ず作る

見直しの時間を必ず作る
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テストでは、必ず見直しの時間を確保しましょう。

どんなに気をつけていても、ケアレスミスは起こります。落ち着いて問題を見返せる5分間を確保できるようにすることが重要です。

そのためにも、1つずつの問題を効率的に解けるよう時短術を使うことが欠かせません。

たとえば、分数の割り算については÷の後の分数をひっくり返してかけ算にするといった手法です。

最後の5分間を死守できるかが合格ラインの分け目となることがあるので、効率的に解ける方法は積極的に取り入れましょう。

5.問題文に印をつける

問題文に印をつける
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問題文の重要な部分には印をつけましょう。

問題文を読み飛ばしてしまい、条件を見落とすミスは非常に多いですが、本当にもったいないです。

四捨五入と指定されているのに忘れてしまったり、分数で答えよと書いてあるのに少数で回答してしまったりなど、わかっていたのに落としてしまう点数ほど悔しいものはありません。

問題文を読む際には、注意書きや指定などがないかを入念に確認し、ある場合には必ず線を引くなどでマークする癖をつけましょう。

中学受験の算数のケアレスミスは対策でなくせる

中学受験の算数のケアレスミスは対策でなくせる

中学受験の算数のケアレスミスは、正しい対策を実践すれば必ずなくせます。「注意力が足りない」からではなく、正しい計算の方法や対策を知らないことが原因だからです。

ゆうた

ケアレスミスを防ぐ対策をしっかり行えば、確実に点数アップ可能です!

もったいないミスをなくすだけで偏差値が上がったお子さんがいるほどなので、中学受験においてケアレスミスは看過できません。

とはいえ、どんなに言っても直らないといったお悩みを持つ親御さんは多いです。そのような親御さんに向けて私の公式LINEでは、算数の成績を上げるための電子書籍「算数完全攻略」を無料プレゼントしています。

ケアレスミス対策だけでなく、計算力・基礎力・応用力を効率よく伸ばす方法をまとめているので、お子さんの成績アップに役立つはずです。

算数の点数を確実に伸ばしたい方は、友だち追加だけで受け取れる特典をぜひご活用ください。